大阪中之島美術館探訪

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2023.01.07

  m2022年の年末から2023年の年始まで、興味深い2つの展覧会が同時開催されている大阪中之島美術館を初めて訪れました。     これまでは、仕事の途中に近くを通りがかった時、黒く大きなボックスを見上げながら、仕事仲間と「結構色むらあるな~」、「縦目地のパネル割が大きなALC版みたいに見えへんか~」、「隣の国立国際美術館のステンレスフレームのオブジェが映えるように、黒い箱にしたんとちがうか~」等々、創った人の苦労もかえりみず、好き勝手なことを言って楽しんでいました。   今回初めて館内に入って、久々に大阪に良い建築が出来たな~と感心しました。 (公開コンペで選ばれた設計者が大阪人でないのは、やや残念ではありますが・・) 1~5階までパッサージュが立体的に繋がる内部空間は秀逸です。    

4階パッサージュからの見下ろし

          交差する2本のエスカレーターはメインフロアの2階から展示空間のある4階まで架け渡されており、各々昇り(行き)と下り(帰り)の一筆書きの動線となっています。 来訪者は、展示のある4階を見上げてワクワクしながら、エスカレーターで昇っていきます。    

4階の展示空間の途中にある休憩ロビーがアイストップになっています

    パッサージュ4階天井の一部をくりぬき、5階を貫くトップライトから凝縮した自然光がふりそそぎます。天井に架け渡されているチューブ作品は、今回の「GUTAI-分化と統合」の特別展示。   4階と5階はそれぞれ別の展示スペースで、エスカレーター(昇りのみ)、エレベーター、階段の3種類の動線が用意されています。  

4~5階をつなぐ階段。踊り場には人のオブジェ

   

4~5階のパッサージュの様子。左側にガラス貼りのエレベーター

   

黒いボックスをくり抜くガラス窓から見る中之島の都市景観。建物の一つ一つはしっかり造られているが、全体の景観としてはやや雑多な印象         5階のパッサージュはシンプルな長方形平面で、両端にガラス窓。光天井のデイテールがやや無骨な気がしましたが、言うは易し、行うは難し。   展示鑑賞後の来訪者は、展示の余韻を楽しみながら、下りのエスカレーターから眼下に広がる立体的なパッサージュを人が行きかう景色を眺め、ゆっくりと降りていくというシチュエーション。ここがこの美術館一番の見せ場。さながら建物の中に小さな都市が内包されているようで、訪れる人にとって最も印象的な場面です(下の写真)。   下りエスカレーターからの眺め。視線は否が応でも下を向きます。右側に2階チケット売り場、左側に1階への階段。交差する昇りのエスカレーターが右端に見えます。下階1~2階の吹き抜けも、眼下にまたぎながら2階に到着。    

隣接する国立国際美術館エントランスゲートのステンレスパイプと、大阪市立科学館

      メインフロアー2階は、誰でも自由にくつろげる広々とした空間。設計上は、展示室だけではなく各階のパッサージュでも、展示や催し等に対応できるようになっているそうです。 今後はこの豊かなパッサージュ空間がより有効に利用されることを期待したいです。 今回は、展示のある4階以上の階に行くためには、この2階にあるチケットコーナーで鑑賞券を購入しないといけなかったのですが、おしむらくは(管理上の工夫が必要であるとはいえ)、1階から5階までのパッサージュを来訪者が自由に行き来できるようになれば、より都市に開いた公共性のある美術館になることでしょう。    

ショップエリアと、ホールのある1階のパッサージュ。車寄せのある駐車場にもつながります

   

ショップエリアのインテリアショップとレストランは、街路からも直接アクセスできます

   

ヤノべケンジ作・巨大な猫の彫刻と、照明のオブジェがある芝生広場。

      芝生広場から見る黒いボックスが浮遊しているように見えるファーサード。2階は建物外周の三方が全面ガラス貼りとなっていて、ショップのある1階と合わせて、敷地周辺との連続性が意図されています。   シンボリックなステンレスパイプのエントランスゲートから入場する隣接の国立国際美術館は、直下の地下1階がショップやレストランのあるパブリックゾーンとなっており、「都市に開かれた美術館(新建築誌2004年5月号)」として、2004年に開館しています。しかしながら、建物の殆どが地下にあるせいもあり、展示を見るために訪れる人々以外の誰もが気軽に立ち寄りたくなる美術館にはなっていないように思います。 それから18年を経て、ようやく開館したこの大阪中之島美術館。前述のように、1階・2階の都市との連続性が、内部の吹き抜けと立体的パッサージュによって、展示室のある4階・5階までつながり、より開かれた美術館であることは間違いありません。 国立国際美術館とも歩行者デッキで結ばれる予定とのことなので、国と市の2つの美術館が互いに連携しあい、大阪を代表する中之島の地で市民や観光客が気軽に集える文化的スポットとして、ますます発展して行って欲しいものです。  

(了)

         

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人=人生=建築 ユイイツムニの家

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2022.09.30

  建築家 石井修さんの娘さんで、中学・高校の先輩(最近知りました)でもある石井智子さんの著書「人=人生=建築 ユイイツムニの家」を、柳々堂さんの紹介で拝読させていただきました。 父のDNAを受けついで設計活動をされている著者が、人がいきいきと暮らす空間としての家はどうあるべきかを、写真とエッセイで綴った一冊。   自ら石井修さんの自邸である「回帰草案」で暮らした経験をふまえて、尊敬する父の言葉も引用しながら、緑豊かな外部の自然と一体化する空間で生活することの大切さ・素晴らしさが、著者 の人柄を感じさせるような飾り気のない素直な言葉で語られています。 建築家の文章によくある難解な表現は一切無いので、誰にも分かりやすく読みすすむことが出来て、読了後はほっこりした暖かい気持ちになれます。   この本が教えてくれる(建築家が)家をつくるにあたって大切なことは。。 ・その場の環境をしっかりと捉えて、外部空間との好ましい関係を構築すること ・そこで暮らすそれぞれの家族にとって最も相応しい家とはどうあるべきか、を考え尽くすこと ・生活する中で、手に触れるもの、目に触れるものを、細部まで丁寧にデザインすること ・周囲の風景を決してこわすことのない建築(中途半端な外面であれば見えない方が良い!)であること   それらがしっかり実践できた時に初めて「ユイイツムニの家」が出来るのだ!と。   久しぶりに建築というものの原点を思い起こさせてもらった気がします。 建築を志す若い学生さんにもぜひ手に取って欲しい本だと思いました。          

樹々に埋もれた回帰草案の外観

     

回帰草案へのアプローチ

     

中庭からガラス窓越しに見上げた風景

     

回帰草案の断面図。敷地の傾斜に沿って建てられている

     

緑豊かな外部が垣間見える廊下。左側が中庭の緑

     

2本の丸太の柱がある約8.1m角のリビング

      造り付けの8人掛けのテーブルと椅子のあるダイニング。ここが石井修さんを囲む家族の語らいの場であったという       著者設計「伊賀の家」の緑豊かな中庭。壁・屋根がガラスの渡り廊下と木製サッシュに囲まれている  

(了)

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アマン京都

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2022.08.31

  建築家ケニーヒルの遺作、アマン京都を少しだけ見学する機会がありました。鷹峯の森の中に悠然と点在する寡黙な建築群。        

正門の前でセキュリティーガードの監視(笑)を受けながらのワンショット

」    

右手に見えるのがアライバルパビリオン。宿泊者はまずここでチェックイン

     

後ろのリビングパビリオンの中身はレストラン

         

庭に面したレストランの内観

     

レストラン前のテラスにある苔むした石が圧巻

         

ケニーヒルガーデンと命名された庭は見事に整備されていました

        敷地の中を散策できるのは、宿泊者限定。時間と費用が許されるならば。。いつかはゆっくり何泊か滞在してみたいと思える希少なホテルでした。

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ROKU 京都

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2022.08.22

  お盆休みの2軒目はROKU京都。こちらも昨年開業したヒルトン系列のホテルで、鷹峯の自然豊かな場所にゆったりと建っています。       水盤やガーデンをはさんで、宿泊棟、ダイニング棟、レセプションとティーラウンジ棟、プールやジムのあるスパ棟が各々独立して配置されています。レセプション棟でチェックインすると、中庭を望む外部回廊を経て、水盤に挟まれたダイニング棟と宿泊棟をつなぐブリッジを通り、宿泊棟に至ります。    

レセプション棟の水盤が宿泊客を迎えます

     

軒下空間でもある回廊の前に広がる庭園。庭園の向こうに宿泊棟が見えます

     

回廊を通り、ダイニングとブリッジの方へ伸びやかな景観を眺めながらのアプローチ

      水盤越しにブリッジを望む。右側の建物がダイニング棟。正面左にレセプション棟につながるティーラウンジ棟が見えます。どちらも木造建築。ホテルというよりは美術館のような風情のある建築群です。       宿泊棟側からブリッジにつながるダイニング棟を望む。スレンダーな鉄骨柱と木目の天井の取り合わせが端正な美しさです。      

宿泊棟の廊下

       

  部屋は約50㎡の広さで、庭に面した石張りのインナーテラスがあり、テラスの一画に温泉を引き込んだバスが配置されています。    

 

寝室の横には引き戸で隔てられた2箇所の洗面所とシャワールームがあります

   

 

テラスと寝室の間の木戸を閉めるとこんな感じ。木戸は繊細にデザインされています

   

  洗面とシャワールームのあるエリアから、バスのあるテラス側を望む。洗面とシャワー室との間に仕切りはなく、バスを通して庭園まで望める開放的なつくりですが、シャワーを使うと洗面所の床が水浸しになるのは、やや残念。          

木の架構がきれいなティーラウンジ棟で一休み

     

上の写真右側に見えるのは既存のチャペル

      静けさを感じさせる水盤と、ブリッチの水平線に対比させて縦の線を強調した独特な樹形の台杉、各々が独自のフォルムの建物群などを眺めながら、しばし散策です。           地下1階のレベルには温泉を引きこんだサーマルプールがあります。プールサイドに面した宿泊室が4室用意されており、部屋のプライベートテラスから直接プールサイドに出ることが出来ます。               サーマルプールの利用は、上記プールサイドの特別な部屋は別として、一時間ごとの予約制になっていたので、薄暮の頃合いを狙って夕食後の19時に予約。この時間帯は子供さんの利用は禁止になっているらしく、人影も少ない静かなプールで気兼ねなく遊泳。水温は32度ありましたが、この季節、もう少し温度が低ければ、より気持ちよかったかも。。           さて一夜明けての朝食はいよいよダイニング棟でのバイキング。天神川沿いのテラスに面した席で、水面にかぶさる枝垂れもみじを愛でながらの美味しい時間。 チェックアウトは12時までなので、朝食のあとは部屋に戻ってゆったりと。   日頃の慌ただしい生活からしばし開放され、とびきり贅沢なひとときを過ごしました。        

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星野リゾートOMO7大阪

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2022.08.17

  今年の夏はBA.5の感染拡大で、高齢者は不要不急の外出は自粛せよ、との吉村知事のお達し。さて我が身のリフレッシュは不要不急ではなく、やはり近々に必要であろうと勝手に判断し、お盆休みを利用して、近場のホテル2軒に宿泊することにしました。1軒目は、昨年の開業で話題にもなった星野リゾートのOMO7大阪。直前でもすんなり予約がとれたので、少しびっくりでした。           チェックインの時刻までまだ時間があるせいか意外に空いていた1階の駐車場に車を停め、黄金色のビリケンさんが控えるエントランスから、エスカレーターで2階へ。           2階へ上がって無人のクローク(ロッカールーム)に荷物を預け、鉄板製のオブジェチックな出入り口をくぐって、メインホールへと向かいます。          

開放的なホールにつながる公園越しにハルカスが望めます

     

壁面一杯のホテル周辺の案内板がカラフルです。新世界もすぐそこ。

      カラフルでカジュアルなソファがならぶホール。このホールに面してホテルグッズのコーナーがあり、部屋着なども自由にここでゲットできます。           ホールの奥にはカフェやダイニングがあります。ここで軽い遅めの昼食をとりながら、チェックインの時間を待ちます      

昼食後、まだチェックインの15時まで時間があったので、公園のテーブルで一休み。緑豊かな公園にいろんなファーニチャーが設えられた景観は魅力的ですが、やはり暑いです。。。

   

  高級ホテルにありがちな構えた感じのカウンターなどはなく、15時より少し早めでしたが、ごく自然でフレンドリーな感じのホテルスタッフに気軽に声をかけてみると、すんなりとチェックイン完了。荷物も自分で運んで上階の部屋まで向かいます。               さて部屋の方は約50㎡の広さのツインルームで、セミダブルサイズのベットが2つ。床は畳パネル敷になっていて玄関で靴を脱いで上がります。横長の窓からは新世界方向の街並みが望めます。壁際にはソファーが造りつけられていますが、あまり座り心地の良いものではありませんでした。横長窓は迫力満点でしたが、部屋全体としては特に工夫はなく、単にだだっ広いだけ・・という感じでしょうか。壁のクロスは、生地色の木部の色調とあいまって和を意識した色合いのようですが、どちらかと言えばカジュアルな印象です。      

廊下や部屋からは独立して設けられている洗面所

      東側妻側の部屋だったので、通天閣が見えます。部屋の窓の少し外側に設えられているファサードを構成する被膜部材が景色を切り取ります。夜間には、ファサードにネオンを映すキャンバスになる被膜部材ですが、部屋からの視線には、取り付け用の金物等がごく自然に目に入り、あっけらかんとおおらかに、舞台裏を見せられているかのような印象でした。      

ベットバックの間接照明はいい感じ

      ホテル内のディナーは予約で一杯だったので、歩いて数分の新世界に繰り出しました。上の写真は言わずと知れたジャンジャン横丁。これがホンマモンの大阪や!! コロナなにするものぞ、、の喧騒の中「だるま」で串カツをいただきました。その名も「新世界セット」。さすがに、二度づけ禁止のソースは、直接かけて食べる形式でした。       さて夜になると広場で、イベントが始まり、クラフトビールとたこ焼きが宿泊者には無償でふるまわれます。広場に面して別棟の銭湯もありお風呂上りの一杯を楽しむ人も。       綺麗に整備された芝生の上を子供が走り回ったり、寝転がったりして思い思いの時間を過ごすことが出来ます。もう少し涼しくなればより快適に過ごせそうです。                 広場はJR新今宮駅のすぐ前にあり、駅のプラットホームからはこの広大な空間とその背後にそびえ立つ14階の宿泊棟が望めます。出来た当初は浪速っ子の度肝を抜いたことでしょう。           さて定刻になると、建物のファサードを利用して、カラフルな色合いの花火を模したプロジェクションマッピングが始まります。パフォーマンスが続く10分の間、宿泊客はそれぞれ好きな場所からこの巨大なファサードを見上げて歓声をあげながら、特別な浪速の夜を楽しんでいました。      

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KYOTOGRAPHIE 第10回京都国際写真祭 探訪 

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2022.05.10

  日曜日のお気に入りTV番組「日曜美術館」で紹介されていた京都グラフィー。今回は記念すべき第10回目とのことで、GWの好天の一日、久々の京都で会場めぐりを楽しみました。 まずは八竹庵(旧川崎家住宅)の総合案内所に向かいます。会場となっているのは、武田五一も設計に関与し大正期の数寄屋大工が手掛けたという、庭に開いた和風住宅にライト風の洋館を組み合わせた都市型住宅です。京都市指定有形文化財に登録されており、普段は公開されていないという貴重な建築とコラボする作品展示を楽しみながら、写真祭の概要をチェックです。  

   

参加アーティストにまつわる書籍が並べられています

       

伸びやかに庭に開いた開放的な座敷。とりわけ今の新緑の季節は最高です

   

縁側を利用した作品の展示

   

座敷の畳の上や土壁に、さりげなく自然に、作品が展示されています

      さて、次はイサベル・ムニョス×田中泯×山口源兵衛がコラボする、誉田屋源兵衛 黒蔵、奥座敷の展示へ。こちらも堂々とした京の町屋建築で、玄関を入っていくときからわくわくします。    

こちらも風情のある中庭です

       

田中泯が奄美大島の海中で舞う様をイサベル・ムニョスが撮影しています

   

      上の写真は、2層吹き抜けの円形ギャラリー。元々は大きな緞帳等製作のための大型織機が置かれていた蔵だったそうです。天井のクロス梁を丸柱が支える構造は、ル・コルビジェ設計の上野にある国立西洋美術館のエントランスホールを連想させます。案内係の方のお話を聞きながら順番待ちの後、正面の開いた扉の向こうにある赤い螺旋階段を上って、3階の展示空間に向かいます。    

  螺旋階段を上がり、トップライトからの光が降り注ぐ円形の空間には、3本の帯が展示されています。この帯の一部(写真のプリントのように見える部分)は、イサベル・ムニョスが撮影した写真を和紙にプラチナプリントし、西陣の職人がその和紙の裏にプラチナ箔を張り付けた後、細かく裁断して糸にし、それをまさに一糸乱れぬコンマミリ単位の精度で織り上げて写真を再生する、という手順で創られているそうです。ムニョスの写真が、京都の伝統的手法によって帯の中で再構築されることで、その写真作品が表現する世界がより際立つ・・。山口源兵衛氏のユニークな着想による斬新なコラボレーションの試みです。         見学を終えた皆さんが居なくなった頃に「さあ今のうちですよ!」と仰る案内係の方のお言葉に甘えて、写真撮影をお願いしました。帯は丁度私の背丈ほどのサイズで、このコラボに飛び入りで参加させてもらった気分。    

泥をかぶった後ろ姿は山口源兵衛氏

   

円形のギャラリーのある蔵の外観の見上げです。蔦のからまる「黒蔵」

      こちらは円形の蔵とは対照的な京町屋の土間空間。濃密な展示に熱中した後の心が、しばし癒されたところで、いざ次の展示へ!    

京都文化博物館 別館のエントランス

  三条通りを東に進み、烏丸通を渡って、京都文化博物館 別館のギイ・ブルダンの展示へと向かいました。     上の写真は2階のギャラリーからのワンショットです。らせん状に立ち並んだ壁に、ファッション写真家であるギイ・ブルダンの写真作品が整然と展示されています。    

重厚な様式美と、モダンでカラフルな展示壁の対比

          展示壁には随所にスリットや開口部が設けられていて、よくよく見ると、手前にある作品とスリットの向こう側の作品とが、関連づけられているのが分かります。           ギイ・ブルダンは緻密に構成された作風で知られていますが、まさにその作品とコラボするかのように、よく計算された展示空間の中、色々なシークエンスで彼の作品を楽しむことが出来ます。     様式建築としての場の力、秀逸な展示構成、ギイ・ブルダンの多様な作品が醸し出す明るい知性、等々に直に触れることが出来て、ここでも心地よい時間を過ごすことが出来ました。   これまで外れのない京都グラフィーの展示! 舞台は町屋建築から様式建築まで・・その時代や場を超えて、素敵な展示空間に仕立て上げてしまう自由な感性と懐の深さに、感心することしきりです。       前川国男設計、香山嘉夫改修設計の京都会館(ロームシアター京都)の広場に面して建つ京都市美術館 別館では、ファッション、ポートレート、静物、風景等々多岐に渡って、幅広く質の高い作風で知られる、アーヴィング・ベンの展示です。   京都会館は、現在は蔦屋書店やレストランが入って賑わっていますが、前川国男の代表作の一つにしてモダニズム建築の大傑作、オリジナルを尊重した香山嘉夫の改修設計も見事で、いつ見ても素晴らしいの一言です。上の写真のように、本展の会場である京都市美術館 別館の意匠と並ぶと、やや違和感を感じてしまうのは否めませんが、これもまた京都なのでしょう。       展示空間は、昨年竣工・本年開館した大阪市中之島美術館の設計を手掛けた遠藤克彦氏のデザインで、60度の角度を持った三角形の壁パネルの連続で構成されています。 鋭角な壁で囲まれた場所では、より被写体の持つ特徴が際立つ事、及び照明だけに頼らず自然光を取り入れて撮影するためには露光時間を長くする必要があり、両側を鋭角な壁に囲まれた場では被写体の動きも少なくてすむ、という考えにより、アーヴィング・ベンが撮影の場として好んだシチュエーションだそうで、遠藤克彦氏は展示構成にあたり、そのことに着想を得たそうです。 会場の一画にはグレーの鋭角な壁に囲まれた場が用意されていて、来訪者が自由にポートレートを撮影できるようになっていました。実は私もこの場所で撮影してもらいましたが、まさに被写体の特徴が際立った結果か・・あまり出来栄えがよろしくなかったので、ここでは割愛しています(笑)。                

グレー基調の鋭角な壁で構成された会場風景

   

建築家ル・コルビジェの肖像写真がありました。脚が長く見えて格好いいポーズです!

        この日最後に訪れたのは、嶋臺ギャラリーのマイムーナ・ゲレージの展示です。夕刻になってもこれだけの来訪者の列。日中はもっと多くて一時間近い待ちだったそうです。    

かって造り酒屋でもあったらしい会場の玄関を入ると、大きな井戸が鎮座

    イタリア系セネガル人アーティストであるマイムーナ・ゲレージの独特の世界観を言葉で語るのは私には荷が重いですが、写真表現の枠を超えて、見るものをくぎ付けにするパワーを持った作品群でした。          

ライティングがハートマークになっています。これも演出か?

       

個室では動画も上映。床に座ってゆっくりとゲレージの世界観を堪能

    京都グラフィー、今年初めて訪れましたが、やはり一日で回りきるのは厳しいようです。来年は、しっかり時間を確保して、ぜひまた訪れてみたいと思わせる催しでした。 コンセプト、会場の選定、展示内容と構成、参加アーティスト等々、どれをとっても想像以上にすばらしいもので、今後も京都を起点として、さらにグローバルに発信していける可能性を大いに感じました。関係者の皆さん全員に素直に敬意を表したいと思います。素敵な催しをありがとうございました!  

<了>

     

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2022年2月4日朝日新聞より

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2022.02.04

    朝日新聞より安藤忠雄さんの記事の切り抜き。建築の話ではなく生き方の話。 やはりこの人は只者では無かった。彼の創る建築同様、いやそれにも増して感銘を受けました。 ちょっとした身体の不調でも落ち込んでしまう我が身に、がつんと一発喝を入れられた感じです。

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たねや「ラ・コリーナ近江八幡」探訪

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2021.11.22

  遅ればせながらと言うべきでしょうか、秋の休日に、近江八幡にある和洋菓子のたねやグループのユニークな施設である「ラ・コリーナ」をようやく訪ねることが出来ました。 それも近江八幡に用があり、その帰途に車を走らせていたところ、偶然に「ラ・コリーナ」の看板を見つけ、急遽訪ねることにした次第です。 休日は駐車場に車を停めるのにもたいへんな混雑と聞いていましたが、この日は夕刻だったこともあり、待ち時間もなくすんなり駐車することが出来てラッキーでした。 さて竣工後まもなく7年になる草屋根の姿がどうなっているでしょうか。     言わずと知れた藤森照信さん(何故か、僕ら若輩でも思わずさん付けで呼びたくなる建築家です)の設計になるこの建築、駐車場を下りて一面クマザサが生い茂るアプローチの向こうには、シバに覆われた大屋根だけが見えるメインショップの建物が、背後の八幡山のシルエットをくずすことなく、風景の一部となってたたずんでいました。ショップは結構なボリュームですが、そのスケール感を全く感じさせません。建物の形状もとんがり屋根のてっぺんに一本の植樹(資料によれば高野槙)がされているなど、ユーモラスで親しみやすいものです。     施設全体の構成は上の案内板のような感じです。約11万㎡とされる広大な敷地に、様々なショップや、たねやの本社、農業施設、緑の回廊などがのびのびと配されています。まだまだ今後の建設予定もあるようです。     メインショップに入ってみると、アプローチの牧歌的な風景とは対照的にたいへんな賑わいでした。お目当ての焼き立てバームクーヘンを求めて長蛇の列が出来ていました。         ショップの中は屋根形状がそのまま表れていて、天窓から柔らかい光がふり注いでいます。漆喰塗の天井と天窓にまでちりまべられている黒いものは、木炭を細かく切ったものだそうで、 たねやの職員の方も工事に参加してみんなで仕上げたとの事です。洋菓子等のチョコチップのイメージでしょうか。遊び心のあるユニークなインテリアですね。吹き抜けに面した手摺のデザインなども、手作り風で、決して気取ったところがなく好感が持てます。  

窓辺の内観ディテール

    ショップの1階の一角には、歴史のあるたねやが、これまでたくさんのお菓子をつくってきた木型を綺麗に並べて、ディスプレーされていました。     メインショップを出て右側には、本社のある建物とその横にはカステラのショップが見えてきます。本社内部が見学できなかったのは少し残念。    

    見事に生い茂った草に覆われた外観!まるで日本の国の建物ではないかのようなバナキュラーな建築です。これだけの草屋根を維持管理してゆくのはさぞたいへだろうと想像しますが、まさに建築家の考え方に深く共感し、自分たちの建築として大事に使っていこうという事業主の強い意志に感動を覚えます。

藤森さんは雑誌新建築2015年7月号で本作メインショップ棟の完成時に寄せた文章の中で、自身がそれまで試みた建築緑化の成否について言及し「4勝5敗で負け越している」と素直に告白されています。挑戦することの困難さ、さらにその挑戦を受け止めてくれる事業主の懐の深さに感銘を覚えるエピソードですが、今回たねやの社長さんは、4勝5敗の建築家に仕事を依頼し、建築家を心底信頼して、さらなる新たな挑戦の機会を与えたわけです。

同じ雑誌新建築2017年1月号での藤森さんによれば、たねやの社長さんは、別の設計組織ですでに実施設計や確認申請が完了していた段階にもかかわらず、全て白紙に戻して藤森さんにこの仕事を依頼したとの事。すごい話です。別の設計者から見ればたまったものではありませんね。ちょっとあの国立競技場のザハ・ハディト案の白紙撤回を思い出してしまいます。ザハ・ハディトは生前、その決定に異を唱えていましたが、さて別の設計組織の設計者は出来上がったこの建築を見てどのような思いだったのでしょうか。同業者として聞いてみたい衝動にかられます。

ただいずれにせよ、この建築の完成と草屋根の成功という大金星によって、藤森さんの戦績が5勝5敗の五分になったことは間違いがありません。     工事の着工後に急遽決まったという本社の隣のカステラショップのインテリア。栗の柱が林立しています。  

  田んぼ越しに見える水平線の緑は、回廊の草屋根で、敷地と背後の山並みの間にあってすんなり景観に溶け込んでいます。少し残念なのは写真左側に見えるフードガレージの建物のR屋根が、敷地全体と周囲の景観の中ではやや唐突に見えることです。調査不足で不明ですが、この建物に限っては藤森さんの設計ではないように思えます。 間違っていたらごめんなさい。ただこのフードガレージ、時間が無くてゆっくり見れなかったのですが・・R屋根の大空間の下、ロンドンバスやシトロエンのトラックでマカロンなどを販売していて、ショップとしてはなかなか面白そうな場所でした。周囲のロケーションとはあまり脈路がないとはいえ、事業主の自由な発想で造られているようです。  

  よく見ると下部に車輪がついている移動式のショップ。外装は、藤森さんの指導のもと、職員の皆さんが手作りで仕上げられたとの事です。自分たちでも出来ることは、設計者や工事業者と一緒になって汗を流し、楽しみながら自分たちの施設をつくりあげていく事業主の姿勢は素晴らしいですね。    

  田んぼの廻りをめぐる散策路になっている草屋根の回廊はこんな感じ。シンプルで簡素。天井の垂木とその間の白い漆喰が縞模様に見えます。     マスクをつけたバウムクーヘンの穴の向こうで、自分もマスク姿で記念撮影に応じているのは私の家内の陽子さん。ブログ初登場です!  

  植樹で森をつくり、田畑を耕し、自社農園での共同研究など、「お菓子の素材は自然の恵み(たねやHPより)」と捉え、自然を通して人と人とが繋がる場をつくりたいとの思いでこの広大な施設はつくられているようです。SDGsを含め、とりわけ自然というものを大切に考える中で、単なるお菓子屋さんの枠にとどまらないグローバルな事業主の発想が、藤森建築と共鳴したのでしょう。近江八幡という地から世界へ発信したいという心意気が感じられる素敵な場所でした。既に琵琶湖の観光名所となっていますが、これから、さらに新たな施設が付け加えられることで、今後この場所がどう成長し、どのような情報発信をしてくれるのか・・とても楽しみです。  

<了>

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本福寺(水御堂)探訪

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2021.08.16

  建築後30年となる本福寺(水御堂)。建築に関わる人なら、楕円形の蓮の池の中央を切り裂くように階段が降りていくこの写真が、記憶にある方も多いのではないかと思います。 安藤建築の小品である真言宗のこのユニークな寺院は、淡路島の小高い丘の上にありました。      

寺院の正面から右に折れてアプローチしていくと直線的なコンクリートの壁が立ちはだかります。

    壁に穿たれた開口部より中に入ると、今度は曲面のコンクリート壁が。砂利が敷き詰められた2つの壁の間の空間は、俗から聖へと移動する際の中間領域のような静寂な空間でした。            

曲面の壁に沿ってぐるりと回りこむと、コンクリート製の蓮の池が眼前に現れます。

        吸い込まれるように地下へと続く階段を下りて、いよいよ御堂へと向かいます。 階段を下りると案内係の方が迎えてくれて、ここで拝観料を納めて内部へ。内部の御堂は一転朱塗りの空間で、木の柱のグリッドと格子のスクリーンで外陣と内陣が設えられています。 ここへ来て初めて、ああここはお寺なんだ!と改めて認識させられます。 西側の光庭によって、内陣の後方から午後の光が差し込み、この朱色の空間がさらに荘厳に感じられるよう企図されています。残念ながら御堂内部は撮影禁止でした。      

西側の光庭から差し込む光

      写真では分かりにくいのですが、グリット状の本堂を包む壁は円形、さらにその外側はコンクリート製の正方形の壁が囲んでいて、その上部に楕円形の蓮池が乗っています。単純明快な幾何形態の組み合わせで空間構成する安藤流の手法がここでも見られます。           案内の方の特別のはからいで隣接する和室の集会所も見せていただいたので、感謝の気持ちを込めて記念撮影。天井一杯の巨大な障子を開けると、敷地の緑と、何故かコンクリートの十字架?が目に飛び込んできます。 「30年を経ても綺麗に保たれていますね」と案内の方に声をかけると、「最近安藤さんから頼まれてコンクリートの改修工事をしたんです。費用はぜんぶこっちもちですけどねぇ」 「こっちもち・・そりゃそうでしょ!」と言いたくなるのをグッと呑み込んで(笑)建物への愛情とメンテナンスの大切さを思いながらこの御堂をあとにしました。      

見学を終えて両側の壁に囲われた階段を上ると視界に入ってくるのは青空のみ

      2枚のコンクリートの壁によって日常世界から隔てられた蓮の水盤が育む時の流れを抱合した静寂。水盤の下に密かに構築されているさらなる異空間としての朱塗りの御堂。この場を訪れることで、日頃のあわただく煩雑な日常から段階的に心がリセットされていくのを感じました。 安藤氏の目指した寺院建築とは、ただ寺院を訪れ奥に鎮座する仏様に手を合わせて終わるだけではなく、まさに建築空間そのものが生み出す「時と場の力」によって、より深く聖域(釈迦がいざなう仏の世界)というものを感じ取る中で、人のこころを開放し昇華させるものだったのでしょう。 特にこのコロナ禍の中、ぜひ一息ついて訪れてみる価値のある建築でした。   最後にかってこの建築が掲載されていた雑誌「新建築1992年7月号」より、30年経った今でも特に共感できる安藤氏の言葉を抜粋しておきます。 (安藤氏によれば、蓮は悟りを開いた釈迦の姿を象徴していると言われているそうです)   この御堂も年月が経てば、やがてコンクリートは風化し、蓮池は生い茂る木々で埋もれていく。しかし、夏がやってくればそこには蓮の花が一面に開花し、この場所が聖域であることを人びとの記憶に呼び覚ます。現代建築を犯している刹那主義が一時のきらびやかさだけをひたすら競うのに対して、姿を変えながらも、記憶の中に延々と持続する建築をつくりたいと思う。 (安藤忠雄)  

<2021年8月15日・了>

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コシノヒロコ展ー兵庫県立美術館

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2021.06.01

  久しぶりの兵庫県立美術館。折しもコロナ第4波を受けての緊急事態宣言期間中ではありましたが、感染対策を講じた上で2021年4月8日~6月20日まで開催されている「コシノヒロコ展―EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ」を訪れました。 普段は、さほどファッションとは縁のないわが身ですが、予想をはるかに超えた素晴らしい展覧会に感動。ファッションだけにとどまらない多彩なアーティストとして、84歳にして尚精力的に活動されているコシノヒロコさん。おそらくはたくさんの優秀なスタッフの情熱的なフォローを得ていることでしょう。各部屋毎の構成に工夫を凝らし、ビジュアルな魅力満載の展示空間で、そのエネルギッシュな活動の成果が披露されています。力の入った展示に魅せられて、各部屋を何度か行ったり来たりするうち、思わず時の経つのを忘れてしまうほどでした。 コロナ禍の中で決して来訪者も多くなかったのは残念ですが、全館写真撮影OKでしたので、順次その魅力の一端を紹介してみたいと思います。                   巨大なコシノヒロコ型風船人形がお出迎えのエントランス階段を上り、展覧会の入口へと向かう大階段では、コシノヒロコファッションの代表作を身にまとったマネキンたちがせいぞろい。無機的なコンクリート打放し空間の中、華やかで手の込んだコスチューム達が存在感を放ちます。内2体のマネキンは実はロボットで、来訪者を愛嬌たっぷりに迎えてくれます。         展示の始まりはコシノヒロコの年表。これまでの84年の人生を振り返る部屋。その多彩な活動を物語る様々なエピソードが、コシノヒロコ自身が語るビデオや写真、モノ達で楽しく表現されています。                             「絵画とファッション」と題した部屋では、色彩豊かな絵画作品の数々が同じく明るいファッションとコラボ。最初にこの部屋に入った瞬間、抽象・具象・大小を問わないコシノヒロコ絵画作品の多彩さとクオリティーの高さにとにかく驚きました。個性的なファッションを生み出す彼女の創造力の源泉を見た思い。実はこの部屋で写真撮影OKと聞き、慌ててロッカーまでカメラを取りに戻ったのでした。                               続く部屋は「墨絵とファッション」。コシノヒロコが本格的にアート活動に取り組むきっかけとなったのが墨絵とのことです。筆やモップまで使って自由な筆致を楽しみながら創る独自の作品世界は、屏風絵や着物の絵付けまで広がります。絵画とコラボするファッションも白と黒のモノトーンの作品が選ばれています。その中で一転、中央の黒い壁面に飾られている、おそらく絵具を流して製作したと思われる巨大な朱色の作品が鮮烈です。         ファッションの足元を彩るタイツばかりを集めた「驚きとファッション」の小部屋。壁面から突き出たいずれ劣らぬ個性派ぞろいの足先群のパワーに、思わず仰け反りました(笑)。 少し落ち着いたところでワンショット!         この見覚えのあるユニフォームは体操競技日本代表のもの。これもコシノヒロコのデザインとは知らなかった! 躍動的な3体のマネキン周囲の壁面を飾るのは、紅白と黒の三色で構成された、歌舞伎の隅取りや市松模様等、日本伝統の図柄のコラージュ。         多彩な展示の中でも一際異彩を放つ、コシノヒロコが異分野のアーティストと手を組んで創造したアート作品。プロジェクションマッピングによって暗闇の中で光の演出がなされ、幻想的に折り紙のモチーフの紙ドレスが浮かび上がります。思わず見入ってしまい、ビデオに撮れていなかったのが残念。                 「錯視とファッション」の部屋。ファッションのモチーフと同じ柄で床と三方の壁面が構成されています。2次元と3次元で反復を繰り返す文様を眺めているとなんとも不思議な感覚に陥ります。         「エトリケンジ」製作のワイヤーネット製の不思議なフィギアと、それと呼応するファンタジーなファッションや絵画が独特の世界感を表現しています。とにかくそれぞれの展示空間の多彩さと創造性に感服させられます。                     こちらは映像体験の空間。2020年のステイホームの期間中にコシノヒロコの手で生み出されたという不思議なキャラクター達が登場するアニメーション。じっくり見入っていると、しばし現実の世界を忘れさせてくれるシュールな時間と空間が体験できます。コシノヒロコ独特の精神世界の奥深さが際立つような展示空間です。             上の写真はコシノヒロコがデザインした実際の洋服をアクリルケースに詰め込んで、絵画のように見せた展示。まさにこの展覧会のテーマに沿った「絵画とファッションのクロスオーバー」の分かりやすい一つのかたち。                 マネキンが身に纏う個性的なファッションは、コシノヒロコの絵画をテキスタイルに落とし込んでデザインされた作品とのことです。そしてその背後には同じモチーフで作成された大型のタペストリー。絵柄の斬新さと華やいだ色使いが素晴らしく、いつまでも眺めていたくなる空間でした。この展覧会を担当した多くのアーティスト達の情熱が伝わってきます! 以後は個々のファッションを紹介します。一つ一つが独創的で手の込んだ素晴らしいもの。こんなファッションを悠々と着こなす生身の女性に会ってみたくなりました。                     さて展示もいよいよ最終章。コシノヒロコファッションの集大成の部屋。これまでの作品106体が一同に会します。圧巻です!     マネキンのコンダクターが奏でるドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」が会場を静かに包み込んでいました。                               以下、展覧会図録より抜粋。 「HIROKO KOSHINOの数十年の歴史とコシノの思想的変遷、制作に携わる作り手たちの情熱、高揚感、手仕事の美しさ、そして時代の空気感。ここは感性が凝縮した空間」  

アートがすき

デザインがすき

ワクワク

にほんをしりたい

せかいをしりたい

ドキドキ

みんなのことば

わたしのことば

ワクワク

みらいのおとなに

みらいのこどもに

ドキドキ

      最後は、幼稚園に通う子供たちが描いた似顔絵にコシノヒロコが手を加えたタペストリーがお見送り。次世代の子供たちに託すコシノヒロコの思い、TO  THE  FUTURE   未来へ。      

<了>

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