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2015.10.23
住吉大社にほど近いUR住吉団地、1階エントランス廻りのリニューアル設計を私の事務所で手掛けました。40年以上も前に建てられたこの団地ですが、今でも決して古さを感じさせない斬新な外観をしています。垂直線を強調したエレベータコア廻り、周到にディテールやプロポーションが考慮され、繊細な和のテイストを感じさせる分節されたバルコニー等、隅々までこだわったデザインは、独自の存在感を放っていて、数多いUR団地の中でも指折りの名作といえるでしょう。 この団地のもう一つの特徴は、1階の全てが、壁のないピロティー空間となっていることです。そのために1階のエントランスや自転車置場は、外部と一体化して、各棟ごとに分断されずに互いに繋がり、見通しも良く開放的で明るい空間となっているのです。 改修前の1 階は上の写真のような状態でした。グランドレベルには、自転車置場とメールコーナーが、そこから少し上がった位置にエントランスとエレベータホールがあります。エントランス廻りには、外観とは対照的に曲線をモチーフとしたたまり場のようなスペースが設けられていたのですが、あまり利用されていませんでした。一方、グランドレベルの方は自転車の台数が大変多く、メールコーナーと同じレベルのため、たがいに干渉し合っていささか雑然とした印象になっていました。 そこで、現状のピロティー空間の伸びやかさを生かしながら、メールコーナーをエントランスと同じレベルに上げて再構築、柱や壁面の素材も一新して、エントランス廻りのバリューアップを図りつつ、自転車置場スペースも広げる計画となりました。 メールボックスは、白い大理石で造ったフレームの中にしっかりと組み込みました。フレームの下部に設えた隠し照明によって、既存の床と対比させています。 独立柱は、凹凸のあるボーダータイルで仕上げ、柱上部に新たに設けた照明ボックスからの間接光が効果的に見えるよう配慮しています。
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2015.10.20
横浜のマンションで、杭工事の偽装が発覚しメディアをにぎわしています。最近では、東洋ゴム社による免震ゴム装置の試験データ改ざん、そしてフォルクスワーゲン社によるディーゼル車の排ガス測定時プログラムの不正問題に続き、特に今回の杭施工データの偽装は、建築の監理業務に携わるものにとって、大変ショッキングな事件です。 仮に私たちがこの工事の監理に携わっていたとして、この不正を見抜けたのかと問われれば、恥ずかしながら甚だ心もとない返答となるでしょう。基本的にモノ造りは、それに関わる技術者の責任においてなされるものであり、それを第3者が検査・確認するにしても、その工事を担う専門業者への信頼感を前提に進めないことには、現場は廻って行きません。目に見えないところでも、きちんと責任感を持ち、決して手を抜かずに自分がやるべき仕事をするのが、技術者としての矜持であるはずで、私が建築の世界に飛び込んだ時も、当然そのように教えられました。 しかしながら、東洋ゴムや、フォルクスワーゲン社、そして今回の旭化成建材といったその業界ではトップクラスの実績を誇る一流企業の担当者が、何故にこのような「悪意ある」と言うべき偽装に手を染めることになってしまったのか、充分に検証されなければなりません。 例の姉歯建築士による耐震偽装問題を端緒として、確認申請の制度が大きく変革され、以後何回かの建築基準法の改正を経て今日に至っています。これは、いわば構造設計者の良心に任せておくだけでは駄目であって、専門の審査機関で耐震偽装等が無いように、細かく設計内容のチェックをするべきである・・という考え方の制度ですが、個人的には、必要以上に審査機関との協議が長引いたり、審査担当者と私たちとの間で構造的な見解が一致しない、などの問題を度々経験した結果、この制度に疑問を持っている一人です。私としては性善説を支持したい、もし仮にそうでなければ、モノ造りなどというものは、現実的に立ち行かないと思うが故なのです。 ところが、今回の杭工事の偽装問題は、そのような甘い?考え方に再び大きな警笛を鳴らすものです。今後は、工事着工してからの検査に関しても、より制度的に厳格化される方向に進むであろうと思われます。原因は種々あれど、人は過ちを犯す生き物であり、建築現場におけるその過ちが、ともすれば人の生命の安全を脅かす場合もあるという前提で、いかにそのような過ちが起きないようにするか・・・。もちろん制度だけで全てが解決できるものではないでしょうから、まさに、建築に関わるもの全てに重い課題が突きつけられた事件であると言えるでしょう。
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2015.10.01
9月27日(日)、古都奈良の飛鳥カンツリーに高校時代の同級生21人が集結。 高津高校24期の24からヒント得て「虹の会」と名づけたこのコンペも、この日で5回目を迎えました。皆と顔を合わした瞬間から一気に40年以上前にタイムスリップしてしまう感覚は、同窓会ならではですが、ただ昔を懐かしむだけではなく、かって同じ時間と空間を過ごした仲間同士が再会し、今現在何を考え、どんな風に日々を過ごしているかを語りあう事が、これからの互いの人生を豊かにしてくれるような気がします。 ゴルフの腕前のレベルも、性格も、職業も、まさに多士済々の面々ですが、大の大人が小さなボールの行方に一喜一憂しながら、少年のようにわいわいがやがや、いつものように、あっという間の一日が過ぎていきました。 今回は前回ホールインワンを達成したメンバーの厄払いも兼ねたご好意により、コンペの参加費は無料となり、優勝からBM賞にいたるまでいつもとは一味違って豪華賞品が充実、また「虹の会」の名とホールインワン達成メンバーの名などを記した特注のゴルフマーカーが全員に配布されるなど、プレー後の表彰式も大いに盛り上がりました。 競技方式は、第1回目から一貫して「ペリア方式」を採用、18ホールの内、隠しホール6ホールの結果で各々のハンディーが決まってしまうので、ギャンブル性抜群です。隠しホールでそこそこ多く叩いてハンディーを多くもらい、その他のホールでいかによいスコアを出せるかの勝負となるので、腕前だけでなく、運を味方につけなくては上位入賞できない仕組みとなっています。今回も、上手に運を引き寄せることが出来たメンバーが、まんまと上位を占めました。 半年後の再会を誓い、次回ホールインワンを達成したときに備え、みんな保険に加入することにして(笑)散会しました。虹の会メンバーの皆さん、24期幹事の独断と職権で写真を公開させていただきました。どうかお許しのほどを!!