RE-SOUL奈良 新大宮
所在地 | 奈良県奈良市 |
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用途 | 集合住宅 |
敷地面積 | 128,62m² |
建築面積 | 79,49m² |
延床面積 | 677,54m² |
構造 | S造 地上9階 |
竣工 | 2014年3月 |
JR奈良駅徒歩6分、近鉄新大宮駅徒歩7分、大阪と奈良を結ぶ動脈である阪奈道路へと繋がる大宮通り沿い40坪弱の元戸建て住宅用地。商業地域で400%の容積率に加え、奈良市内においては限られた高さ限度31mの立地ではあるが、中高層建築に混じって民家や低層の商店なども未だ点在し、周辺地域全体としては、必ずしも都市計画に見合った土地利用が図られているとはいえない状況であった。
近鉄奈良駅から新大宮駅、さらに奈良市役所に至るエリアは、奈良に支店を置く企業が多く、また近鉄奈良駅周辺には奈良女子大等の大学も立地しており、一定の単身向け住宅の需要が見込まれることから、潜在的なポテンシャルを持ったこの敷地を最大限に有効利用すべく、ワンフロアー2戸・9階建・計16戸の賃貸集合住宅を計画した。
大宮通りに面した外壁は、シルバー色のガルバリウム鋼板製スパンドレルと、黒色に塗装した押出成型セメント版を対比させて用い垂直性を強調し、都会的で洗練されたイメージに加え、古都奈良に相応しい和の感性を合わせ持つよう意図している。
建物を訪れる人は、敷地奥に設けたアイストップとなる植込みを眺めながら建物西側のピロティーを介してアプローチし、ピロティーに開いたガラス貼りのエントランスに至る。このエントランスは交通量の多い大宮通りに対しては閉じながら、ピロティーと視覚的に一体化した空間である。幹線道路に面して間口が狭く奥行きのあるこの敷地を生かし、ピロティー空間を内外の中間領域として介在させることで、開放的で落ち着いた雰囲気の中、街とゆるやかに繋がるエントランス空間を創出している。
大理石調の床材やガラスブロック、ウォークインクロゼットや間接照明、充実した水周りなどを備えた住戸は2タイプ、洋室は共に10帖大で、単身向け住戸としては必要充分な広さの快適な居住空間となっている。