CROSS OVER
所在地 | 大阪市東淀川区 |
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用途 | 集合住宅 |
敷地面積 | 512.91m² |
建築面積 | 364.44m² |
延床面積 | 2561.59m² |
構造 | RC造10F建 |
竣工 | 1992年11月 |
-自立するファサード-
ファサードは立ち上がったその時より、その建築の機能や目的が何であれ、その形態、テクスチャ、色彩が自立して、それそのものの有様で、人の感性に働きかける。そこを通り過ぎるだけの大多数の人々にとって、ファサードはその建築の全てである。季節や時間の移ろいが、豊かに感じられるファサードを創りたいと考えた。
ブロックプランは2つの住戸群より構成されるが、南面、東面に沿って、3つの壁が与えられている。3つの壁はダイレクトにプランを表現せず、自立した秩序を持つ。ここでは、バルコニーは部屋の延長であると同時に、街と建築の中間領域として捉えられ、奥行き1.2m程の空間が、自立した外皮と相まって、街と豊かな関係を取り結ぶ。
-光、風、緑-
各住戸は、南側と東側のやや90°より振れた2つの道路に忠実に沿って並べられた。
2つの住戸群の間には、光庭が設けられ、共用空間に光と風が導入される。
ファサードが、街へ働きかける装置であるのに対して、この光庭は、町を建物の中に引き込む装置である。
住み手がELVを降りた瞬間、アールのコンクリート壁や、フレームを介して街との繋がりが自然に意識される。
光庭の最下部にはアールの壁に呼応した小庭園が設けられ、ささやかな緑を提供する。
-CROSS OVER-
1)十字路の一端に位置する立地特性を生かして、この建物が構成されていること。
2)十字型のモチーフが、ファサードに繰り返し用いられていること。
3)ファサードの様々なエレメントが互いに均衡を保ちつつ、各々影響し合って存在すること。
4)街と建築の互いの交歓が積極的に意図されていること。
等の理由によりキーワードとして「CROSS OVER」という言葉が与えられ、それがそのまま、この建物の名称となった。