「土鍋でじっくりご飯を炊くのが私の日課なんです。一口コンロだとご飯を炊いている間、他の調理が出来ないんですよね・・」と言う新たなこの部屋の住まい手のこだわりを踏まえ、既存キッチンサイズのW1,200、壁の100口タイルや吊戸棚等 はそのままに、ミニ冷蔵庫が組み込まれていた流し台部分のみ２口ガスコンロ付に更新。すぐ横の洋室への開き戸に手を加えて引込戸に転用した上で、洋室側に新たな冷蔵庫設置スペースを確保した。
ソフトクローズ機構付の引込戸は軽くスムーズで開閉が容易であり、洋室の広さを縮めることなく、キッチン廻りの使い勝手向上を図った。

クロスについては、・特徴的な４つ目窓のある洋室北側壁面に墨色のアクセントクロスを採用　・その他の壁面・天井は極力クロス表面の凹凸を抑えたピュアな白色のクロス貼りとし、洋室の柱、梁、天井のコンクリート打放しと対比したメリハリの効いたインテリアとなっている。
（クロスの選定にあたっては、他の部屋で試みたバリューアップリニューアルの事例も参考に、住まい手と意見交換しながら決定した）
床材については廊下・洗面・洋室を通して、既存の木製建具、巾木、木枠等と相性のよいノンワックスのナラ調シート系素材で統一した。

住戸の骨格や既存のマテリアル等、一定の時を経ても尚利用できるものは大切に残しながら、新旧が調和した形で「この時・この場所・この住まい手 ならではの」バリューアップを試みている。

＜下記は当所WEBサイトPolicyページより＞
―ときと建築―
https://tk-souken.co.jp/policy/policy_01/
―ひとと建築―
https://tk-souken.co.jp/policy/policy_03/